小児矯正
大切なお子さんの歯並びが悪く、矯正治療をしたほうがいいのか悩んでいる親御さんも多いと思います。矯正治療はいいタイミングで行うことでお子さんの負担を減らすことができます。子どもの頃に矯正治療を行うことで、抜歯の可能性が減る、歯や顎への負担の軽減など様々なメリットがあります。お子さんの歯並びが気になる方は一度ご相談ください。
どのタイミングで相談に行けばいいの!?
親御さんが「おかしい?」と思った時が治療開始のタイミングです。
一般的には、永久歯の前歯が生え揃う7歳ぐらいから治療を開始するお子さんが一番多いです。受け口や顎がずれているなど成長に大きな影響を与えるケースは4歳くらいから始めることもあります。
大きく分けて2種類の方法があります
1. メカニカルな治療
取り外しが出来る床装置や固定式装置(マルチブラケット)などを装着して治すこと。
2. バイオセラピー(生物学的機能療法)
バイオセラピーとは歯並びが悪くなった原因を解決することです。
食事の環境を改善することや、舌癖などの悪習慣を治すことなどで生体バランスを整え、自分で成長し治ることです。ムーシールドやT4Kがこれにあたります。
矯正治療本来の目的
矯正治療は装置を使用するだけだと思われている方が多いですが、ただ装置でひろげる事が治療の目的ではありません。歯並びが悪くなった原因の多くは機能にあります。
歯を装置でひろげてキレイにしても、正しい機能がなければ歯は元の歯並びに戻ろうとしてしまいます。矯正治療は、見た目はもちろん機能的にも自然で安定した歯並びにすることが目的です。装置に頼るのではなく、「食事」や「生活習慣」を見直し、自分の力で自分の機能を回復させることが大切です。
なぜ歯並びが悪くなったのでしょう?
歯並びが悪くなる原因の多くは、顎の成長不足により「歯が生える場所が足りないこと」です。
歯並びはもちろん大切ですが、歯は並びよりも正しく使うことが大切です。正しく歯を使うことで顎が正しく成長し、歯が並ぶ場所が確保できます。並ぶ場所が確保できることで歯は正しく生えきれいに並びます。また、正しく咬むことで顔が正しく成長します。
食生活について
- 食事中の姿勢が悪い
- 水分を取りながら食べている
- 食材選びや調理方法が咬む回数が多くなることを意識していない
- 小さく切ってしまって前歯で噛めるような大きさにしてしまっている
顔が成長するためには、咬むことによる食事の発育刺激や食事環境が大切です。
思い当たる項目があればそれを改善することが治療の第一歩になります。
悪習慣について
- 口がいつも開いている
- 上を向いて寝ていない(うつぶせ寝は絶対ダメ!)
- 頬づえをつくことが多い
- 指しゃぶりをしている
- 爪や唇を咬むことが多い
- 舌の位置が悪い
上記のような悪習慣は歯並びや顔の成長に悪い影響を与えますが、指摘してもなかなか治りません。
なぜよくないのかしっかりと説明をしてお子さんに自覚させることが重要です。
筋機能療法(MFT)
バイオセラピーには筋機能のトレーニングと装置があり、筋機能のトレーニングのことをMFT(Myofunctional Therapy)といいます。
歯並びが悪くなる原因のほとんどが、飲み込む時の異常な舌や口の周りの筋肉の動きが影響を与えたことによるものです。その、口の周りの異常な筋肉の動きを、トレーニングすることにより改善し歯並びを治していく治療のことをMFTといいます。悪い癖を治すことにより矯正治療後の後戻りも防ぐことができます。
舌や口の周りのMFTを行う理由
歯並びを悪くしている原因から治すため
歯並びが悪くなる原因は、食べ物や飲み物を飲み込む時の舌の動きや口呼吸によって悪くなります。MFTは舌や口の周りの筋肉、呼吸などの正しい使い方を覚えることができます。
矯正期間を短くするため
矯正装置で歯を動かそうとしても、舌や口の周りに歯並びを悪くする力がかかっていると、その力で戻されてしまい、いつまでたっても歯並びがキレイにならないのです。MFTで口の周りの悪い癖を改善しておけばスムーズに歯が動くことで治療期間が短くなります。
矯正治療後の後戻りを防ぐため
矯正治療後はリテーナーという器具を装着し、歯が元に戻ろうとする力がなるなるまで抑えておく必要があります。元に戻ろうとする力は口の周りの筋肉の悪い動きによるものです。MFTはこの悪い動きも改善させていくので、リテーナーの使用期間を短くすることができます。
MFTの主なトレーニング方法
MFTと併用する矯正装置
1. 拡大床
拡大床は狭い顎を拡げる装置で、MFTだけでは改善できないような狭い顎の場合に使用しながら歯並びをキレイにしていきます。
拡大床で顎を拡げることによって舌の位置が安定し、よりMFTの効果を高めることができます。
2. T4K
T4Kはシリコン製のマウスピースタイプの矯正装置で、出っ歯や乱杭歯を治すために使用します。
出っ歯の方は唇の筋肉が弱い方が多い傾向にありますので、MFTで口の周りの筋肉を強くして元に戻らないようにしていきます。
3. ムーシールド
ムーシールドは受け口を治す装置です。
舌の正しい位置は、上の顎を押し上げている状態で、この押し上げにより上の顎が広がり受け口になりません。
受け口の方は、舌を上の顎につけることができないので、ムーシールドで強制的に舌を持ち上げて改善していきます。
拡大床・T4K、ムーシールドのメリット・デメリット
メリット
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食事の時に取り外せます
床矯正装置は食事の時に取り外すことができるので、何でも美味しく食べることができます。
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虫歯のリスクを下げます
食事と同様に、歯磨きの時にも取り外すことができますので、丁寧に歯磨きをすることができます。
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痛みがでた時にすぐ外せます
床矯正はたまに違和感や痛みを感じることがあります。あまりにも痛い場合はご自身ですぐ取り外すことができます。
デメリット
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装着しないと効果がでません
拡大床・T4K・ムーシールドで全てが治るわけではありません
装置を使用したからといって全ての不正咬合が改善するわけではありません。
また、一度改善してもまた戻ってしまうこともあります。
咬合は成長とともに変化し、成長が止まるまで顎も成長し続けますので、不正咬合の治療は1種類の装置だけではなく、成長を観察しながら必要な治療を行っていく必要があります。
※ワイヤー矯正も必要になることもあります。
料金表(税込)
検査、診断料 | ¥33,000 |
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床装置 | ¥66,000~ |
T4K | ¥33,000~ |
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ムーシールド | ¥55,000 |